目次
環椎後頭関節(C0–C1)動きの誘導を介してアプローチ
1. 後頭下筋群の筋膜リリースによる間接アプローチ
理論
環椎後頭関節は後頭下筋群(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)に囲まれており、これらの緊張は関節の可動性を制限する。
後頭下筋群を緩めることで、C0–C1の動きの誘導が可能。
具体的アプローチ
患者を仰臥位。施術者は頭蓋骨下縁に指腹を軽く当て、後頭骨を支える。
頭部をわずかに牽引し、後頭下筋群に伸張感を与える。
指先で筋の緊張を感じ取り、呼吸に合わせてリリース。
必要に応じて軽い側屈・回旋を誘導して筋膜の解放を促す。
2. 軽度モビライゼーションによる関節誘導
理論
C0–C1関節は「屈曲・伸展・わずかな側屈」が主運動。
頚椎全体の可動性を利用して、関節包や靱帯をストレスのない範囲で動かす。
具体的アプローチ
仰臥位で患者の頭を両手で支持。
頭部を軽度に牽引しながら、屈曲・伸展方向に小さくリズミカルに揺らす。
側屈を加える場合は、必ず 2〜3 度の微細な可動域内で実施。
ポイント:瞬間的なスラストではなく、関節の「遊び」を回復させる目的で行う。
3. 姿勢・運動連鎖を利用した間接矯正
理論
C0–C1の動きは C1–C2回旋・胸椎伸展・胸郭アライメントと連動。
周囲関節を調整することで環椎後頭関節の負担を軽減。
具体的アプローチ
胸椎伸展誘導:胸椎上部の伸展を手技で促し、頭頚部前方突出を改善。
第一頚椎回旋調整:環軸関節(C1–C2)を優しく回旋方向にモビライゼーション → C0–C1の運動が連鎖的に回復。
顎引き運動の誘導:施術者が後頭部を支え、患者に軽く chin tuck を行わせることで後頭環椎関節を自然に整列させる。
まとめ ~環椎後頭関節(C0–C1)動きの誘導を介してアプローチ~
環椎後頭関節を直接操作することは困難だが、以下の手技で間接的に施術が可能: