やってもらった感のある施術の落とし穴

やってもらった感の治療。
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やってもらった感のある施術の落とし穴

整体やマッサージを受けた際に、「やってもらった感」が強い施術は、一見満足感を得られるかもしれません。しかし、実際には治療効果が発揮されにくい場合があります。こうした施術は、患者さんと施術者の双方にとって、好ましくない結果を招く可能性があります。

施術者の視点:評価の難しさと過度な力の問題

施術者が患者さんの体に過度な力を加えると、筋肉や組織が防御反応を起こし、施術の効果を正確に評価することが難しくなります。強い刺激によって身体の反応が過剰になり、本来意図していた反応が見えにくくなってしまいます。

また、強い刺激は「もみ返し」や「オーバードーゼ」といった副反応を引き起こすこともあり、施術後にかえって状態を悪化させることもあります。

患者さんの視点:「やってもらった感」と治療効果のギャップ

患者さんは、施術時間の長さや強い力加減によって「しっかりやってもらった」と感じやすくなります。しかしこれは、実際の治療効果とは必ずしも一致しません。

からだは、動かされたり揉まれたりすると、それが“良い刺激”であれ“悪い刺激”であれ、一時的に変化を感じます。 その変化を「良くなった」と錯覚してしまうのです。しかし、その実態は、単に感覚が一時的に変化したに過ぎず、根本的な改善にはつながっていないことが多々あります。

施術の目的の見失いとマッサージ化のリスク

「やってもらった感」を重視するあまり、施術の本来の目的である体の機能改善やバランスの調整が二の次になることがあります。そうなると、整体施術がリラクゼーション目的のマッサージと混同されてしまい、医療的な視点が薄れ、本質的な回復から遠ざかってしまう危険があります。

まとめ ~やってもらった感のある施術の落とし穴~

「やってもらった感」のある施術は、一時的な安心感や満足感をもたらす一方で、本来必要な体の調整や治癒のプロセスを妨げる場合があります。からだの変化を「良くなった」と錯覚せず、何が本当に効果的な施術なのかを見極めることが、施術者にも患者さんにも求められます。軽く、正確で、意図的な操作による“本質的な治療”こそが、本当の意味での回復を導きます。

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