変形性頚椎症とは?
変形性頚椎症は首の骨や軟骨の変形により首の痛みやしびれを引き起こす疾患です。
人の背骨は、通常、首の部分に7個の頸椎、胴の部分に肋骨とつながっている12個の胸椎、腰の部分に5つの腰椎があります。
変形性頚椎症とは、頸椎や椎間板、椎間関節の変化や靭帯の肥厚などにより生じる疾患を言います。
なお、変形性頚椎症は、主に『頚椎症性脊髄症』と『頚椎症性神経根症』に分類されますが同時に二つが発症する場合もあります。さらに頚椎症で後頚部交感神経系が刺激されると、めまい、頭痛、吐き気、耳鳴りなどの自律神経失調の症状を合併するバレリュー症候群があります。
- 頚椎症性脊髄症・・・頚椎症によって脊髄が圧迫されることによって引き起こされる症状
- 頚椎症性神経根症・・・頚椎(首の部分)の椎間板や関節の変性が原因で生じる神経の圧迫症状
- 頚椎症・・・神経症状を伴わない頭頚部痛や肩こり、首の運動制限・運動痛
頚椎症性脊髄症について
頚椎症性脊髄症は、加齢による椎間板変形によって脊髄が圧迫される症状をいいます。骨がとげ状(骨棘)になったり頸椎がずれることにより頸椎を圧迫し症状が現れます。さらに頸椎本幹だけではなく神経根まで圧迫した場合、頚椎症神経根症を同時に発症することもあります。
なお、頚椎症性脊髄症診療ガイドラインが2020に改定され訂第 3 版を刊行されました。
症状
- 首の後ろの痛み
- 手足の痺れ、感覚異常
- 両手の動きがぎこちない
例)ボタンがかけにくい、箸が使いにくい、ペットボトルが開けづらい、お箸で小さなものがつかみにくいなど - 歩行障害
- 排泄機能障害
頚椎症性神経根症について
椎間板ヘルニアや骨棘などの頸椎変形により、神経根を圧迫することで症状が現れます。
片側のみ刺激されるので、痛みや痺れといった症状が現れるのは片側のみとなります。
症状
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