緊張型頭痛とは、筋肉の緊張などによる張力が引き金となり発生した頭痛のことをいいます。筋肉自体が痛むことは少なく、頭部の組織や神経が刺激を受けることで頭痛となります。日常的にみかける、最も多い頭痛タイプと言えます。片頭痛のように、痛みが強い時には寝込んでしまうことはほとんどありませんが、つらい症状が続いてすっきりしないため、心身への負担が大きい頭痛です。
特徴
- 頭が絞めつけられたように痛む
- 我慢できないほどの頭痛ではない
- 数時間~数日の頭痛が定期的に起きる、または頭の痛みが持続的に毎日のように続く
- 首や肩、背中にかけての痛みを伴う
- 嘔吐を伴わない
- 姿勢や動作によって頭痛の強さが変化しない
- 光や音に対して過敏に感じることがある
- 頭が重い
- 体がフワフワするようなめまいを感じる
緊張型頭痛になりやすい方
- 長時間同じ姿勢でのデスクワーク
- トラックドライバー、タクシーの運転手など長時間の運転
- 読書やスマホ、ゲームなどを長時間同じ姿勢でおこなう方
- ストレスや不安、緊張、プレッシャーなどに弱い方
- 生真面目な性格や几帳面な方
- 不自然な姿勢での睡眠、枕が合っていない方
頭が痛む原因
心身へのストレスによって、頸部や頭蓋骨周辺の筋肉の緊張を高めます。その結果、周辺の血管を収縮させ、頭痛を引き起こすと考えられています。さらには近年、トリガーポイントとの関連性も指摘されています。トリガーポイントとは軽い圧迫でも痛みが誘発される部位のことを言います。頸部や肩、背部の筋肉になど生じたトリガーポイントが引き金となり頭痛を引き起こす場合もあります。なお、トリガーポイントについてはトリガーポイント研究所のホームページをご覧ください。
身体的なストレスによる緊張型頭痛
筋肉は無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などにより、頭から肩にかけて緊張し血流が悪くなります。すると、乳酸などの疲労物質が筋肉にたまり、酸素や栄養素の循環が妨げられます。その結果、血管が収縮して神経が刺激され、頭が痛むと考えられています。
さらに頭はとても重く、首筋・肩・背中の筋肉はそれを支えるため疲労が蓄積しやすい場所です。細かい手作業やスマートフォンを使う時など下向きのまま長時間過ごしたり、同じ姿勢をとることが多い職業もあります。また重いものを抱えたり寒い場所にいる時間が長いと、より首筋から肩や背中に大きな負荷がかかります。特に、首筋の筋肉が弱い人ほど頭部をしっかりと支えることができずに頭痛を引き起こしやすい傾向があるようです。
精神的なストレスによる緊張型頭痛
仕事のストレスやプレッシャーなどが原因で緊張した状態が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が機能不全を起こします。それが頭が痛む原因となりえるのです。さらに精神的なストレスは自律神経に影響して緊張型頭痛を慢性化させやすいとされています。なお、生真面目な性格や几帳面な方がなりやすいと言われています。またうつ病、不安症、慢性疼痛との関連もあるようです。よって痛み止めの薬があまり効かないことが多いようです。
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