一つの痛みが良くなると、他の部位が痛くなるのは何故?
まず、からだが痛くなるという事は、患部となっている部分に何らかの位置異常が起こっています。
位置異常はほとんどが関節部分に発生し、その種類は、捻転(ねじれ)、側方偏位(傾き)、屈伸偏位(前後のズレ)として現れます。
これらの問題を改善する場合、患部を動かす操作が必要になります。骨格の位置やバランスを変化させようと試みる施術にはつきものです。
患部を動かすということは、その部位にある問題が解消する可能性が高まります。その結果、症状の改善や消失という成果が発生します。
しかし、人間のからだは『一つの部位を動かしたときに周りの組織にまったく影響が出ない』ということはありません。からだは連続性のある組織の集合体であるため、患部を動かした際に別の場所に負担がかかる場合があります。
簡単な例で表現するなら、だるま落としのようなものをイメージしてください。
そこで、下のブロックを回転させたら、上のブロックも動きます。
そっと動かしたり、早く動かしたりと様々な工夫をした操作をしたとしても、他のブロックに多少は影響が出てしまいます。
こうして、他のブロックが動いた結果として、本来あるべき姿と異なる場合には、何らかの現象が発生するはずです。
人間のからだに話を戻すと、患部(である下のブロック)が動くということは、患部以外(の上のブロック)にも影響が現れるということです。
この影響が一過性であれば問題はありません。からだには調整作用がありバランスをとろうとするため、他の部分に出た症状もやがて消失してしまいます。
しかし、患部を動かした事により他の部分に痛みが続く場合、元々の患部にとっては最適の位置に保持されたとはいえ、他の部位に負担がかかり続ける結果となりえます。
さらには、からだの痛みを根本治療するという本来の意図とは異なる結果と言えます。
このように患部と違う場所以外で痛みが出る場合には全体のバランス調整が必要です。
根本治療のゴールとは?
理想とする最終形態は、患部の位置を整えつつ、全体のバランスも自然なよい位置に合わせていくのが根本治療としてのゴールと考えております。
その途中経過として、別の場所に痛みが発生する可能性はあります。というのが本日の記事となります。